若月圭太のアニメ映画感想ブログ

劇場版アニメ・アニメーション映画の感想を中心としたブログ

おっさん今度は『劇場版Free!』を観る『劇場版 Free!-Road to the World-夢』感想

 

 

 

 テレビアニメシリーズのファンであっても総集編映画は見ないという人は決して少なくありません。ですが、『Free!』シリーズにおいてそれは危険な行為です。本シリーズはすでに2020年夏に完全新作劇場版が公開されることが決定しています。

 もしも貴方がその劇場版を観るつもりなのであれば、本作についても鑑賞することをおすすめします。なぜなら本作は総集編のようでいて総集編ではないからです。

 と、いうわけで先週の『うたプリ』に続き、2週続けて女性向けアニメの劇場版を観てきました。といってもほぼ初見といって良かった『うたプリ』と異なりこちらは3期あったテレビアニメはもちろん劇場版も全て鑑賞済みだったりします。いや本当にこれまでの作品ちゃんと観ておいて良かったですよ。

 これだけ初見に優しくない映画もなかなか無いです。一方で初見を切り捨ててこれまでのシリーズの内容を把握している作品のファンにのみ向けて作っているからこそできる構成になっていて、総集編映画にはこんな作り方もあるのかと驚かされました。

 

 

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初心者に優しくない『Free!』3期

 本作はテレビアニメ『Free!』3期の総集編として製作された映画です。なのでまず前提となる3期について語ります。『Free!』シリーズは女性向けアニメシリーズではありますが、少なくとも2期ぐらいまでは京都アニメーション制作ということもあって男性視聴者も結構な割合でいました。

 ところがその中のかなりの割合の視聴者が3期で脱落します。なぜか。作品がつまらなかったわけではありません。作品は東京、オールトラリア、岩鳶のそれぞれでドラマが展開される複雑な構成ながらも多数のキャラをうまくさばき、よくまとめられていました。

 脱落者が続出した理由は、3期では遙たちの中学時代を描いた映画『ハイ☆スピード!』の登場人物が多数登場し、映画未見の人間がキャラを把握しきれなかったからです。

 このように『Free!』は3期以降、あるいは『ハイ☆スピード!』以降、全ての作品を真面目に追うコアファン向けの作品に変わっていった。ということを前提として認識しておく必要があります。

総集編映画というよりも補完映画

 京都アニメーションの総集編映画は往々にして大胆な構成を取ることがあります。例えば『劇場版 響け!ユーフォニアム ~届けたいメロディ~』では、前半の希美とみぞれのエピソードを全カットし、後半の久美子とあすかに焦点をあてた構成が採られています。

 では、本作ではどういった構成がとられているかですが、一般的には総集編映画はテレビアニメを観ていない人でも内容が理解できるようにバランスよく構成されているものですが、本作では観客が3期を観ていることを前提に、テレビアニメでやったエピソードはわかっているものとして大胆にカットし、その代わりにテレビアニメでは漏れたエピソードを大量の新カットで補完するといった構成になっています。

 なので、特に3期前半から中盤にかけての遙たちと郁也、郁也と日和の確執については全てカットされ、OP曲終了から数分後には遙と郁也が共に個人メドレーを泳ぐシーンが登場したりします。

 

まとめ

 京アニなので作画や演出のレベルは極めてハイレベルです。

 ただ、先に述べたように3期の総集編というよりは補完というべき作品のため、1本の映画として評価するのは非常に難しい作品です。

 『Free!』シリーズは大体見ているが今回総集編ということで手をだすのは躊躇している。そんなあなたにこそ本作をおすすめします。

 あ、幼児バージョンの遙可愛かったです。

作品紹介

 アニメ『Free!』は、おおじこうじの小説『ハイ☆スピード!』を原案とする京都アニメーション制作によるアニメシリーズで、これまでにテレビシリーズが3期、劇場版が4本製作されています。

 主要スタッフは監督を3期の監督を務めた河浪栄作が、脚本は『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』の横谷昌宏が担当している。また、キャラクターデザイン・総作画監督は『映画 聲の形』『リズと青い鳥』の西屋太志が務めています。

 

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