若月圭太のアニメ映画感想ブログ

劇場版アニメ・アニメーション映画の感想を中心としたブログ

令和の仮想現実の描き方 『HELLO WORLD(ハローワールド)』感想

HELLO WORLD 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

HELLO WORLD 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

 Hello world といえば、プログラミング言語を学ぶ際に最初に学ぶプログラムの通称として知られています。本作のタイトルは本作の舞台がプログラムによって作られた仮想世界であることとから名づけられたものと思われますが、それ以外にもラストの展開を踏まえたダブルミーニングとなっています。

 

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よかったところ

仮想世界に対するスタンス

 一昔前であれば、仮想世界が舞台の作品では登場人物が自身や大切な人が現実世界の存在でないことに葛藤するというのが定番の展開でした。

 本作では序盤で主人公の住む世界が仮想世界であることが早々に明かされますが、そのことについて主人公が思い悩むことは無く、ごく自然に受け入れたうえで一行を助ける決断をするところが今風だなと感じました。この辺は『ソードアート・オンライン』シリーズで長く仮想世界を描いてきた伊藤監督の面目躍如といったところです。

 

残念なところ

花火大会までの前半部分

 主人公とヒロインがいずれもボッチ属性だったのは失敗だったのではないでしょうか。この辺『君の名は。』の前半と比較するとわかりやすいのですが、あれは瀧と三葉それぞれのサイドで彼らの友人や家族との会話や入れ替わりに対する反応を使って彼ら二人がどういった人物であるかを前半に丁寧に描写していたことが後半の説得力を高めていたわけですが、本作にはそういった役割を担う脇役が存在しません。

 そのため、特に一行さんについては彼女がどういった人物なのかという描写が足りていないように見え、ただ、メインヒロインだからそこにいる人のような印象を受けるのが気になりました。

まとめ

 本作について一言で言えばよくまとまっている、になります。どの要素をとってみても間違いなく及第点に達している。見ればそれなりに面白いとも感じます。

 ただ、一方で何かこの作品に心を揺さぶられた、人に強く勧めたい。そういったことを思わせる何かがこの作品にあるかと言えば、残念ながら私にとってはノーという答えになります。他の方の感想を読んでも似たようなことを書いている方がちらほらといます。こういった部分をなんとかするのが伊藤監督の今後の課題になるのでしょう。

 できないとは思いません。彼のデビュー作『世紀末オカルト学院』にはそれがあったのですから。

作品紹介・あらすじ

 『HELLO WORLD』は、グラフィニカ制作によるオリジナルアニメーション映画です。監督は『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の伊藤智彦、脚本はテレビアニメ『正解するカド』の野崎まど、キャラクターデザインは『映画けいおん!』の堀口悠紀子が担当しています。

 声優は主人公の堅書直実を北村匠海、ヒロインの一行瑠璃を浜辺 美波、10年後の堅書直実であるカタガキナオミ(先生)を松坂桃李が演じています。

 2027年、読書好きだが決断力に欠ける高校生の堅書直実は、ある日10年後の2037年から来たカタガキナオミ(先生)と出会う。

 彼は直実にこの世界がシミュレーターのアルタラによって生み出された仮想世界であること、直実は同級生の一行瑠璃と恋人となるも3カ月後に彼女が雷に打たれることを伝え、その運命を変えるよう直実に依頼する。

 その依頼に応えるために直実は先生の指示に従い瑠璃との距離を縮める一方、先生から貸与された物質を構築する力の特訓に励むことになるのだが・・・

 

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