本作を銀英伝の登場人物に例えるならメルカッツがふさわしいだろう。本作はラインハルトのように華麗な作画というわけでもなければ、ヤンのように奇策めいた演出が披露されるわけでもない。だが、原作をまるでメルカッツの用兵のように、端正な作画と基本に忠実な演出で丁寧に再現している。そのことによって原作を読んだ当時の興奮の再現が効果的に行われている。
正直、自分がここまで今、銀英伝を楽しんで見ることができるとは思わなかった。本作はかつての原作ファンであれば見るべきだ。テレビ版を観ていない人も、映画冒頭でこれまでのエピソードをダイジェストで見せてくれるので、原作ファンであれば容易についていくことができるだろう。
第一章では一巻のラストにあたるアムリッツァ会戦から二巻前半のリップシュタット戦役勃発までが描かれる。今月中には早くも第二章が公開されるので今から観るのが楽しみだ。
作品紹介・あらすじ
『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章』は、田中芳樹の『銀河英雄伝説』を原作とし、2018年のテレビアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』の続編として公開される三部作の第一作となります。
制作はProduction I.G、監督は『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』の多田俊介、シリーズ構成はテレビアニメ『ゴールデンカムイ』の高木登、キャラクターデザインはテレビアニメ『黒子のバスケ』の菊池洋子の他、寺岡巌、津島圭がいずれもテレビアニメから引き続き担当しています。
声優は帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムを宮野真守、同盟のヤン・ウェンリーを鈴村健一が演じています。
帝国領に侵攻した同盟軍はラインハルト率いる帝国軍の反撃を受け壊滅的な損害をうける。凱旋するラインハルトだが、待ち受けていたのは皇帝崩御の報だった。後継者を巡って帝国内の各勢力が動き出す。
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