本作は前作からの引き続きの主役であるマックス、ヒロインのギジェット、前作の敵役だったスノーボールの三匹それぞれを中心とした3つのエピソードで構成されています。こういった構成はイルミネーションだと『怪盗グルーのミニオン大脱走』でも採用されていたのでイルミネーションお好みの構成のようですが、本作ではそれが正直うまくいっているとは言い難いと言わざるを得ない出来でした。
とはいえ、可愛らしいペット達の愉快なアクションは健在なので、本作は前作のファンや、ストーリーはともかく画面を動き回る動物達を堪能したいという方たちにはおすすめの映画です。
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作品紹介・あらすじ
『ペット2』は、イルミネーション制作による3D長編アニメーション映画で、『ペットシリーズ』の第2作にあたります。
監督は『怪盗グルーの月泥棒 3D』のクリス・ルノーが、脚本は『ミニオンズ』のブライアン・リンチがそれぞれ第1作の『ペット』から引き続き担当しています。
マックスとデュークの飼い主のケイティが結婚し、息子のリアムが生まれる。マックスはリアムを可愛がるが、心配性のあまりノイローゼになってしまう。
ある日、家族旅行で農場にきたマックスはそこで農場犬のルースターと出会うのだが・・・
旅行に行くマックスからおもちゃを預かったギジェットはそのおもちゃをうっかり猫屋敷の中に落としてしまう。おもちゃを取り戻すべくクロエから猫になる方法を教えてもらおうとするのだが・・・
スーパーヒーローを演じるスノーボールは犬のデイジーからホワイトタイガーのフーを悪いサーカス団から救い出してほしいと頼まれる。早速2匹は救出のためサーカス団に向かうのだが・・・
本作の構成の問題点(ここからネタバレあり)
このシリーズのキャラクターの人気ってよくわからないんだけれど、多分制作側としては主人公のマックスよりも人気キャラのスノーボールやギジェットを推したいんだろうなってのがなんとなく見て取れるんですよね。そもそもストーリーを3ルートに分けたのもそれが目的なんだろうし。
連動性の薄い3ルート
一般にルートを複数に分ける構成の場合、それぞれのルートの攻略にあたってあるルートの行動が他ルートに影響を及ぼす構成にしないと一つの作品でルートを分ける意味がありません。例えば、ルートAである物を動かした結果、ルートBにおいて危機を回避する、または思わぬトラブルが発生するといったストーリー展開です。
ところが本作ではそういったルートをまたいだ展開がほとんどありません。マックスルートもギジェットルートもストーリーがルート内で完結していますし、スノーボールルートにしても連動するのは他2つのルートがクリアされたあとのため、ストーリーを3つに分けた意味がほとんど感じられませんでした。
マックスルート
マックスルートには大きな問題点が2つあります。まず第一はデュークが活躍しないこと。デュークは本作で一番の割を食った扱いとなっています。本作では主人公のマックスがマックスルートとラストの2回ほど危機に陥るわけですが、1回目は別の場所に待機し、ラストは家で寝ていたため不参加と、相棒の役目を全く果たしていませんでした。
2つ目はリアムの取り扱い、驚いたことに彼の本作における役割はマックスのノイローゼの原因となることのみで、メインのストーリーには全くからんできません。なんでこんな脚本にしたのか訳がわかりません。少なくとも私ならマックスルートは次のようなストーリーにします。
マックスが恐怖に足がすくんでしまって動けなかった結果、高いところから落ちてけがをしてしまったリアム。ルースターは、子供は怪我をすることで学ぶこともあると慰めるがマックスは足がすくんだことに落ち込む。翌日、そこにはルースターに従い恐怖を克服しようとするマックスの姿があった。その日の夕方,いくつかの偶然が重なり羊の群れが暴走してしまう。暴走の先にいるのはリアム、マックスは勇気を振り絞って羊の群れの前に立ちはだかり遠吠えをあげる。ルースターとデュークの助けもあり、マックスは無事リアムを助けることに成功するのであった。
まとめ
本作は、マックスが主人公の割にはマックスルートの脚本が雑という困った作品です。正直スノーボールを明確に主役に据えたほうが作品の完成度はあがっただろうなという感想を持ちました。と、いうわけで、『ペット3』を制作する場合はスノーボール主人公でお願いします。
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