若月圭太のアニメ映画感想ブログ

劇場版アニメ・アニメーション映画の感想を中心としたブログ

映画感想

第二のポッピンQ現る 『BLACKFOX』感想

上映が終わった瞬間の感想は表題の通り『ポッピンQ』に似ている、である。

本作を登場人物に例えるなら『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章』感想

本作を銀英伝の登場人物に例えるならメルカッツがふさわしいだろう。本作はラインハルトのように華麗な作画というわけでもなければ、ヤンのように奇策めいた演出が披露されるわけでもない。だが、原作をまるでメルカッツの用兵のように、端正な作画と基本に…

令和の仮想現実の描き方 『HELLO WORLD(ハローワールド)』感想

Hello world といえば、プログラミング言語を学ぶ際に最初に学ぶプログラムの通称として知られています。本作のタイトルは本作の舞台がプログラムによって作られた仮想世界であることとから名づけられたものと思われますが、それ以外にもラストの展開を踏ま…

志は低くチケットは高い 『BanG Dream! FILM LIVE』感想

今回記事で取り上げる『BanG Dream! FILM LIVE』ですが、まあ、表題の通りです。いいところが無いわけではないのですが、同様に一つのライブをそのまま一本の映画にした『劇場版うたプリ』と比較するとどうしても数段落ちると言わざるを得ない評価になりま…

ラストの選択を今後の彼らは採り得るのだろうか 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』感想

本作は作品外の事情について言及されることが多く、作品の内容についての話題が埋もれがちです。本記事では作品の評価に話題を絞って語っていきます。

『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』感想 カズマさんモテ期入りました(本当)

予告ではギャグっぽく描かれていますし、実際このシーンは勘違いなのですが、原作では本エピソードのめぐみんを皮切りに、3人のヒロイン(ただし、某駄女神は除く。)と次々にフラグを建てていくことになる、ターニングポイントとなるエピソードを映画化し…

『二ノ国』感想 ナーロッパの周りの深い谷に落ちた作品がまた一つ

日本のアニメーション映画において剣と魔法の王道ファンタジーは鬼門といっても良いジャンルで、これまでに多くの作品が公開されては特に話題になることもなく消えていくということを繰り返しています。 本作についても同様の状況に陥りつつあります。どうし…

『ONE PIECE STAMPEDE』感想 活躍したのはこのキャラクター(ネタバレなし)

本記事では『ONE PIECE STAMPEDE』でどのキャラが活躍するかをネタバレなしで紹介しています。映画館に足を運ぶ前に、お目当てのキャラが活躍しているか本記事で確認してはいかがでしょうか。

もしもゲマがループを繰り返していたとしたら 『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』感想

原作の『ドラクエV』に思い入れの強い者であるほど、自分だったらこういった展開にするのにとの強い思いを持つことになります。そういった意味において本作のタイトルに『ユア・ストーリー』とつけられているのは絶妙と言えます。

非ポケモン世代のおっさんポケモンを観る 『ミューツーの逆襲 EVOLUTION』感想

ここ数年のポケモン映画はテレビシリーズとはリンクしない親子2世代を対象としたリメイク作品または完全オリジナル作品が続いているわけですが、本作は劇場版第1作の『劇場版ポケットモンスター ミューツーの逆襲』を全編3DCGでリメイクした作品です。

スノーボールを主役に据えるべきだったのでは? 『ペット2』感想

イルミネーション作品については個人的な印象として、ミニオンをはじめとしたキャラクターの魅力とは裏腹に、脚本・構成の完成度がピクサー等と比べてかなり劣る印象がありますが、残念ながら本作でもその印象は覆ることはありませんでした。

英題 Weathering With You の真の意味とは『天気の子』感想

英単語のWeatherには動詞として「(嵐や困難を)乗り越える」という意味があります。つまり Weathering with you とは、「貴方とともに困難を乗り越える」といった意味になります。ここから、本作は主人公とヒロインが何らかの危機を二人で乗り切る話なんだ…

まだ持ち主で消耗してるの?『トイ・ストーリー4』感想

転職先で不遇をかこつかつてのエース社員が昔の恋人にあったことをきっかけに長年の同僚と別れてフリーランスとして独立する。みたいな話だなと。

おっさん今度は『劇場版Free!』を観る『劇場版 Free!-Road to the World-夢』感想

テレビアニメシリーズのファンであっても総集編映画は見ないという人は決して少なくありません。ですが、『Free!』シリーズにおいてそれは危険な行為です。本シリーズはすでに2020年夏に完全新作劇場版が公開されることが決定しています。 もしも貴方がその…

おっさん『劇場版うたプリ』を観る『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』感想

『うたプリ』には関心があるが手をだすのは躊躇している。そんなあなたにこそ本作をおすすめします。

『きみと、波にのれたら』感想 これは喪失の受容の物語ではない

この映画のテーマは喪失の受容ではありません。ではこの作品のテーマは何かと言えば、たとえ苦難にあっても前にすすむ意志を持ち、努力し続けることの大切さ、そして誰もが誰かにとってのヒーローになりえるということです。

『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』感想 あの学校が成長した姿を見せる

映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』は60分があっという間の良質な戦車アクション娯楽作品となっており、以下の方にお勧めの作品となっています。 ・ガルパンおじさん ・とにかくドンパチが好きな方

『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』感想 桜島麻衣あるいは牧之原翔子の消失

映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は一言で言えば感動的なストーリーの佳作です。必ずしも非の打ち所がない完璧な作品というわけではありませんが以下に当てはまる方は是非お勧めしたい作品です。 テレビアニメ版が好きな方 いわゆる泣ける映…

その少女は夏休みが明けると女性になっていた「海獣の子供」感想

米津玄師が主題歌を担当していることで話題となった本作は五十嵐大介による同名の漫画を原作とする長編アニメーション作品です。 本作を一言で言えば少女のひと夏の経験と成長を描いたものと言えるのですがとにかく極めて難解な作品であり、誰にでも勧められ…

無名ちゃんのドキドキプレゼント大作戦「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」感想

「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」をNetflixで観ました。日常パート、アクションパートともにヒロイン無名の魅力が散りばめられた清々しいまでにエンタメに振り切った良作です。

とある原作厨の一意見「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」感想【ネタバレ有り】

過去のユーフォ映画3本はそれぞれ久美子と麗奈、久美子とあすか、みぞれと希美の関係性に焦点をあてていたのに対し、本作はTVアニメと同様、北宇治高校吹奏楽部を久美子の視点から描く形で製作されています。 その結果、過去3作品に比べると1本の映画と…

おそ松さんから卒業したあなたにこそ見て欲しい「えいがのおそ松さん」感想

最低限6つ子の区別がつけば問題なし 6つ子が現在の性格になった理由 スタッフからファンへの感謝にあふれた作品 本作は2015年に放映され大ヒットし、その後2期まで製作されたTVアニメ「おそ松さん」の完全新作劇場版です。私が見に行ったときは平日の昼…

スパイダーマンシリーズ初心者による「スパイダーマン:スパイダーバース」感想

スパイダーマンシリーズはこれまでに数多くの映画が製作されているためなかなか手を出しづらいところがあります。かくいう私もスパイダーマンの映画は2002年公開の映画を見たぐらいでお世辞にもスパイダーマンに詳しいとは言えません。 その私が断言しますが…

帰ってきた狡噛「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__」感想

前回の Case.2に引き続き今回は Case. 3の感想です。なお、本作はサブタイトルでも使用されている菊池寛の「恩讐の彼方に」がキーアイテムとして登場します。青空文庫等で30分程度で読むことが可能なので、まだ未見の方は事前に読んでおくと良いかも知れませ…

サイコパス入門として最適かも「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian」感想

もっと彼らを見ていたかった。というのが最初の感想だ。別に作品が短すぎるというわけでは無い。本作では今後はおそらく出てくることはない魅力的な人物が多数出演しているということだ。サイコパスシリーズ自体は新展開が今後もありそうなので残念だ。 本作…

C.Cの圧倒的母性「コードギアス 復活のルルーシュ」感想

コードギアスはルルーシュという圧倒的に魅力的なキャラクターがその人気を牽引してきたシリーズだ。今回もその魅力は健在である。だが今回はそれ以上にC.Cがその魅力を発揮していた。 本記事については、過去のテレビシリーズおよび総集編映画についての…

理性VS感情「劇場版 幼女戦記」感想

結論から言えば本作は良質なファンムービーであり、テレビアニメのファンであれば見て損は無いと言ってもよい。一方で完全にテレビアニメの視聴者向けに作られており、映画ではじめて「幼女戦記」に触れるものにとってはやや不親切な作りになっていることは…